7.カトマンズからトレッキングに出発

トレッキングへバスで移動

トレッキング出発の日。朝8時にガイドが迎えに来た。
さあ行くぞと気合が入るが、外はあいにくの雨模様。

まずタクシーでバス乗り場へ向かう。
目的地までの直行バスがないので、経由地までのバスに乗る。
が、このバスがぼろい。シートはがたがたで5分も座れば尻が痛くなり、路面が悪いことも手伝って、気の休まることがない。大音量で流される呪文のようなネパール音楽がさらに拍車をかける。

小一時間で経由地のバネパへ到着したものの、次のバスは2時間後とのこと。
その間に町の定食屋で食事。

ダルバートと呼ばれるネパール風カレー定食だ。

(参考写真)
PA130855
photo credit: Traditional Nepali Dinner via photopin (license)

メインは豆カレー。
これがとにかくすごい量で、とても食べきれるものじゃない。皿にご飯が山盛りで、カップに豆カレー、また別のカップにはチキン入りカレー、さらには大きなナンとスープとサラダまで。これでもかというほどの大盤振る舞いなのだ。
おかわりも自由だ。
というか、皿やカップが空になると、食堂内を巡回している店員が勝手に追加してくれる。サービス満点なのはありがたいが、油断していると、勝手にカレーやご飯を盛られて、また食べるはめになるのだ。
これぞネパールの国民食、ダルバート。
味は日本人なら充分にいける。
カレーといっても、それほど辛くない。豆カレーはあっさりとしていて食べやすい。チキン入りが少し辛い程度。
まあカレールーというよりも実際はスープのような感じだ。

食べ終わってしばらくすると、バスが到着。
とても混雑しており、座る場所を見つけるのに一苦労した。後から後から乗客がやって来て、すし詰め状態となった。
目の前では赤ん坊に授乳している母親が荷物の上に腰かけていたり、無理やり座ろうとするおじいさんがいたりと、ローカルムード満点である。
ようやく目的地に到着し、ここからトレッキング開始となる。
ちなみに地名はさっぱりわからない。
ガイドブックの地図を見せても、どうにも要領を得ない。
まあ、すべてはガイドにお任せである。
エベレストが見られればそれでオッケーだ。

トレッキング開始

この辺りには外国人ツーリストの姿がまるで見えない。どうやら一般にはあまり使われていないルートのようだ。
まずは平坦な道をひたすら歩く。ただ前夜から今朝にかけて降った雨の影響で赤土がぬかるみ、非常に歩きづらい。靴の裏にへばりついた泥をぬぐいながら進んだ。
少し歩いては小さな村落が現れては消え、また現れるといった具合に道は延々と続く。
あまり急な山道ではない。
しばらく川沿いの道を進み、靴を脱いでの川越えがあり、つり橋も渡った。それから本格的な山道を歩くこととなった。

日本から持ってきたバックパックをそのまま担いでいるので、とても重い。重量が約7キロほどだ。
急な登りになると息も絶え絶えだ。すぐに休息が必要となる。われながら体力の無さを痛感させられる。
そんな姿を見かねたのか、ガイドが荷物を担いでくれることもしばしばだった。ガイドは食料や寝袋などトレッキングに必要な資材も担いでいるというのに。いやはやすごい体力だ。

歩きに歩き、辺りが暗くなり始めた頃に今夜の宿に到着。
まずは玄関口で、チャーと呼ばれるミルクティーをいただく。
このチャーが甘くておいしい。砂糖がたっぷりと入っている。
山歩きで疲れた体に染みわたるかのような味なのだ。
このトレッキング中、何度もチャーには助けられた。

ちなみにインドでは「チャーイ」と呼ぶ。
蛇足ながら、タイではお茶のことを「チャー」と言う。
日本はむろん「ちゃ」。
アジアの茶文化はこんなネパールの山奥までつながっている。

ヒマラヤの宿に泊まる

さて、今晩の宿。
宿といっても普通の民家である。
電気はむろんない。ガスも水道もない。
チャーを沸かすのにはボンベを使っていた。

すぐに周囲は暗闇となった。
灯りはろうそく一本のみ。視界がほんの少しだけ確保できるだけだ。
ベッドというより木の台の上に、藁でできたむしろが一枚敷かれているだけのスペースが今夜の寝床となる。しかも狭い。
この台の上で、ガイドと二人、寝袋にくるまって眠ることになる。
しかも、木としっくいだけで建てられた家の外壁からはすきま風が入りこみ、寒いなんてものではない。

ああどうしようと途方にくれているうちに、夕食となった。
民家の二階で住人の一緒に食べるのだが、これまたろうそくの灯りだけで、どこかこの世ではないような幻想的な気持ちにさせられた。
食事の内容は、コーンフラワーとひえをこねたものと、野菜と肉とスパイスを混ぜたものの2種類だった。
前者は「デーロー」と呼ばれるネパールの山岳地帯では一般的な料理だそうな。これはひたすら味がなかった。食べたことはないけれど、昔の日本人が食べていたという粟やひえもこんな感じだったのだろうと連想させた。
野菜と肉の方は、あまりにも辛くて、とても食べ切れなかった。ネパールで食べた料理の中では、この料理が一番辛かった。

あまり食が進まないので、かわりにインスタントラーメンをわざわざ作ってもらえた。
うまい。ひたすらにうまい。
ネパールの山奥で食べるインスタントラーメンがこんなにうまいとは。
生涯最高にうまいと感じた即席めんであった。
せっかくネパールまでトレッキングに来ているのに、インスタントラーメンに感激するとは我ながらもったいないような気もするが、うまいものはうまいんだからしょうがない。
日本の発明品、バンザイ。

ガイドは家の人たちと地酒を飲み出していた。
ささやかな宴会場と化してきた。
酔いがまわってきたのか、ガイドは怪しげな日本語を連発している。誰だ教えたやつは?

さて、腹もいっぱいになって眠たくなってきた。
ガイドはまだ酒を飲むようなので先に一人で床につくことにした。
むしろの上で寝袋にくるまり、寒さをしのいだ。
はたして眠れるだろうかと心配していたが、疲れていたのであっさりと眠りに落ちた。

そのまま朝まで熟睡。
山の夜は暗くて寒いこと。そして文明の力と自然の偉大さを痛感した一日であった。

エベレストはいまだ見えず。
明日には見えるはず。

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