14.バスとステーキとカトマンズ

バイラワからカトマンズへ

ようやく夜が明けた。寝苦しい夜だった。
奇妙な夢を見たのだ。
まるでサスペンス映画のようなストーリー展開だった。何かの陰謀に巻き込まれ、秘密機関のエージェントから逃げまわり、最後は崖を登っては、ドロンジョ様のような妙齢の女性に突き落とされ、また登っては落とされる、というスリリングかつシジフォスの神話的不条理なもの。
薄暗く監獄のようなホテルの雰囲気と、謎めいた染みの多い部屋の天井と、ヒマラヤの絶壁と、祭りの爆竹音とが入り混じり、奇妙な夢につながったのだと、勝手に夢分析してみた。
かような夢を見ないですむよう、ホテル選びは慎重に行うべし。

さっさとチェックアウトを済ませ、またジープに乗ってスノウリへ着いたのが7時半頃。
卵焼きとパンとチャーで朝食。45ルピー。90円。
8時半になって、ようやくバスが到着し、カトマンズへの長い旅が始まった。
ちゃんと席にも座れた。

バスはおそらくインド製だろうが、このエンジンがとても貧弱。坂道になろうものなら、轟音を響かせているわりには、ちっともスピードが出ず、まるで歩いているかのような遅さだった。図体がでかいぶん、その鈍重さが際立ち、いらいらさせられる。
これでは時間がかかるわけだ。

まあ、そこはネパール。前へ進むだけ立派。昨晩の夢のように、崖に落とされるよりはるかにマシだ。
のんびり行くしかない。

途中、ドライブインに二度ほど立ち寄る。
昼食は当たり前のようにダルバード。50ルピー。もう慣れた。

昼食を食べてからが長かった。
結局、カトマンズ市内へ入ったのが、すでに周囲も暗くなった夕方6時過ぎだった。
腹ペコのくたくた。おまけに10時間近くおんぼろバスに乗っていたせいで、腰が痛くなってしまった。

もうすぐ到着というところで、バスに同乗していたネパール人に声をかけられる。ホテルの客引きらしい。
とりあえず部屋を見てから決めると約束して、ホテルまで連れて行ってもらうことにした。
その後、停車するたびに、次から次へとホテルの客引きたちが乗りこんできて猛アピール。先に声をかけてきた客引きがことごとくブロック。
壮絶な客引き合戦だった。

カトマンズでステーキを食らう

ようやくバスはカトマンズのバス停へ。
そこから客引きがタクシーで、タメル地区にあるホテルまで連れて行ってくれた。
ホテルは少し老朽化しているものの、案内された部屋はダブルベットが一つにシングルベッドも一つ、さらにキッチンまでついているという無駄な豪華さ。これで6ドル。しかもタクシー代込み。
疲れていたので値段交渉もそこそこに宿泊決定。
今晩はダブルベッドで豪快に眠ろう。

(タメル地区参考写真)
カトマンズタメル地区
photo credit: Thameltastic via photopin (license)

荷物を置いて、夕食を取りに出かける。
猛烈に肉が食べたくなった。体が肉を欲していた。
向かったのは、ガイドブックにも載っている有名な「エヴェレスト・ステーキハウス」。
これもタメル地区にあるのでホテルから近い。

店内はとても広く、内装はヨーロッパ風。とてもネパールとは思えない雰囲気。
小汚いバックパッカーが一人で入るにはちょっと場違いな気もしたが、肉への欲求の前には羞恥心など消し飛んでしまう。

ガーリックオニオンソースステーキを注文。
届いてびっくり。巨大な肉のかたまりが皿に中央に鎮座し、左脇にはポテトが山盛り、右脇には野菜がてんこ盛り。ヒマラヤに囲まれたカトマンズ盆地をこの一皿に模したかのようなステーキだ。
肉は少々固いところもあったが、何とかすべて完食できた。
これで180ルピー。360円で大満足だ。
長距離バスの旅の疲れもすっかり吹っ飛んだ。うまいものを腹いっぱい食べると、心まで豊かになるものだ。

上々の気分で宿に戻る。
カトマンズでも、カーニバルをやっており、とても賑やか。

(参考写真)

うーん、いい感じ。爆竹はうるさいが、今日はオッケー。そんな気分。
久しぶりにホットシャワーを浴びる。うん、ちゃんとお湯が出るってすばらしい。
シャンプーも3日ぶりくらい。気持ちいい。
あとはヒゲを剃るだけだ。
が、最後の最後でお湯が出なくなってしまった。
水でヒゲは剃れまい。残念。
まあ明日の朝でいいや。
無駄に広いベッドに横たわると、やはり相当疲れていたのか、いつの間にか寝入ってしまった。
バスとステーキの一日だった。
いい夢見ろよ。

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