12.バイラワのはずがスノウリまで行ってしまう

バイラワ行きのバス

ポカラの次はバイラワへ移動する予定だった。
バイラワの町に用はないけれども、バイラワ近くにあるルンビニに行きたいのだ。
ルンビニはブッダ生誕の地として有名だ。菩提樹をぜひ見てみたい。

というわけでまずは拠点となるバイラワを目指す。
ポカラから出るバスの出発は朝6時とのこと。起床は5時半だった。バス移動の日の朝は早い。
6時をまわっても、なかなかバスが来ないので、露店でチャーを注文。ゆっくり飲もうと思っていた矢先にバスが到着。ああ、ほとんど飲めなかったよ。

バスは、またしてもローカル風のバス。カトマンズ・ポカラ間のようなツーリストバスではなかった。
それでも客席にはバックパッカーらしき旅行者の姿もちらほら見受けられた。どうやら日本人女性3人組も乗っているようだ。

ローカルバスだけあって、途中で何度も客をピックアップしていくので、なかなか進まない。
バスは市街地を抜け、山道へ突入。もう客は拾わないようだ。
それほど急な登坂ではないので、快調に進む。

と思いきや、バスは突然ストップ。
どうやら渋滞のようだ。はるか前方まで車列が続いている。
事情はわからないが、道がふさがれているらしい。
事故か、がけ崩れか知らないが、まあ気にしてもしょうがない。泰然とかまえるのみ。これがネパール流バス旅行だ。日本と比較するのは野暮というものだ。もう骨身に染みてわかった。

小一時間ほどして、ようやく車列は動き出した。
一斉にクラクションを鳴らして、再出発。気分も晴れ晴れ。

しばらくして、昼食の時間。
ドライブインの食堂のテーブルにつくなり、目の前に大きな皿が置かれた。ダルバードだ。
どうやらメニューはダルバードのみらしい。
わかりやすいオートメーション・システム。
ネパールの食堂の給仕は機敏に動く働きものが多い。次から次へとテーブルを移動し、空になった皿を見つけては、料理を足していく。
一度に大量のバス客が訪れるので、そうでもしないと捌ききれないのだろう。
それにしてもダルバードはうまい。

バスで一緒になった同い年くらいの旅行者が同じテーブルにやってきた。てっきり日本人かと思いきや、英語で話しかけられたので少しびっくり。
彼はオーストラリア人のジェイソンと名乗った。
よくよく話を聞いてみると、中国系ベトナム生まれのオーストラリア移民らしい。うーん、ややこしい。現在大学生でアジア放浪中。
そのジェイソンは、ダルバードを食べずに、インスタントラーメンをそのままかじっていた。よくわからん食べ方をする。というか、素直にダルバード食えよ。

バイラワ到着?

バスに戻ってからもジェイソンとは会話を続ける。わかりやすい英語を話してくれるので助かる。顔はどうみても日本人なのだが。
彼もバイラワからルンビニへ向かうつもりなのだと言う。
今夜はホテルをシェアしようという話になった。少しでも節約したいようだ。別に異論はないので、話に乗る。旅は道連れだ。

そうこうしているうちに、バスはずんずん進み、終点へ向かう。
いよいよ、バスはターミナルらしき場所で完全に停車。
バイラワに着いた。長かったなあ。

と、思いきや、ここはスノウリだと車掌が言うではないか。
スノウリは、バイラワよりもさらに先にあるインドとの国境の町だ。
どうやら、すでにバイラワは通り過ぎてしまったようだ。
てっきりこのバスはバイラワが終点だと思いこみ、確認を怠ったこちらのミスである。
まあ、いいか。スノウリからバイラワはそれほど離れていないようだし。

でも、すでに周囲は暗くなり始めていた。長旅で疲れていることもあり、今晩はスノウリで一泊することに。
ジェイソンと宿探し。
ホテルの一角にある一番安い部屋が見つかった。
1泊100ルピー。それを二人でシェアするので、一人当たり50ルピー。約100円。まあ、安い。
が、部屋はまるで馬小屋のよう。トイレとシャワーは小屋の外についていたが、まあ汚いこと。まさに馬小屋レベル。どうせ寝るだけだし、良しとしよう。

スノウリの夜

ぶらりとスノウリの町を散策してみるものの、特に見どころは無し。インドとの国境なので、人の往来は多いし、砂埃もはげしい。あまり長居するところではない。

(参考写真)
スノウリ
photo credit: Coca-Cola sign, our tour buses, people, tuktuks, sales, stores, buildings, Street view of an border town in Nepal near Lumbini, Southern Nepal, near India via photopin (license)

あっさりと宿に戻り、夕食。
バスで乗り合わせた日本人女性三人組の旅行者と一緒にレストランへ行くこととなった。というか、ジェイソンが「誘え誘え」とうるさかったのだ。

というわけで、5人でホテルの屋上にあるレストランへ。
注文を終えたところで、突然の豪雨と嵐が襲ってきた。
強風が吹きすさび、大雨がなぐりつけるように降り、雷まで落ちてきた。しかも町全体が停電していまい、もう大変な事態に。
屋上はテラスになっていたが、これ以上は無理。1階にあるレストランフロアへ移動を余儀なくされた。
電気が復旧するまでは、テーブルの上に置かれたろうそくの灯りだけが頼り。お洒落なレストランだとロマンティックな雰囲気で恋の炎も燃え上がりそうだが、いかんせん土埃の舞うインド・ネパール国境の鄙びた食堂である。恋話よりも怪談話が似合いそうな雰囲気だ。

停電の中でも料理はしてくれたようで、ほどなく料理も到着。
お世辞にも美味いとは言えなかったが、ちゃんと作ってくれただけでも感謝しないと。

しばらく5人で、英語日本語混じりの会話を楽しむ。
というか、ほぼジェイソンの独演会だ。
日本人の中では、一番英語がマシなわたしが通訳させられる。

ジェイソンは大学ですでに学士号を取得済みだそうな。で、ついでにおれは独身だと女性陣にアピール。
ジェイソンは英語でこんな風に言っていた。

I have a bachelor’s degree, and I am a bachelor.

おーアメリカンジョーク。いやオージージョークか。
きょとんとする女性陣。
英語の駄洒落ジョークを日本語に訳しても伝わらないってば。

ちなみに、彼女たちは明日からインドへ入るそうだ。そのうちの一人は、インドからさらにパキスタンまで足を延ばすとのこと。
いやあ、みんなすごい旅をしているなあ。
自分にはまだインドは早いような気がして今回はパス。
(この2年後にインドを実際に訪問することになるのだが、それはまた別の機会に)

食後には、われわれがポカラから乗っていたバスの運転手たちが、レストランにやってきて、一緒に歓談。それなりに英語が通じたので、楽しい会話となった。

まあ、そんな感じで夜は更けていき、まだまだ喋り足りない様子のジェイソンを残して、先に就寝することに。
馬小屋は、蚊が多くてなかなか安眠できなった。
暑くないので作動させていなかったファンをまわしてみると、ピタッと蚊の動きが止まった。なるほど、一つ賢くなった。
ジェイソンは、ほどなくして部屋に戻って来た。どうやら、女性陣とはうまくいかなったようだ。残念。
明日こそは、バイラワへ移動して、ルンビニ観光へ行こう。

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