個人で行くヨーロッパ鉄道旅行初心者用ガイド

ヨーロッパ鉄道の利用方法についてまとめてみました。

私は過去4度ほどヨーロッパを旅行していますが、全て個人で鉄道を利用しました。一番最近なのが2012年夏のドイツからトルコまでの列車旅行です。
細かな変更点や各国事情によって多少の違いなどはあるかもしれませんし、私個人がヨーロッパすべての国を旅行したわけではありませんので断定はできませんが、基本的な利用方法は変わらないと思います。ヨーロッパ鉄道旅行を計画している人の参考になれば幸いです。

国内準備

実際に旅行へ出るためのプランニングです。

ルート作り

まずはここから始まります。航空券やユーレイルパスの手配などは、後回しでもいいです。とにかく訪れたい街を列記していこう。
ヨーロッパの地図を広げます。線路図が書いてあればなおよし。ヨーロッパの主要都市間にはほぼ鉄道が通っていると考えていいので、普通の地図でも大丈夫です。
グーグルマップも便利ですね。何度でも書きこみができて保存も可能です。
ピックアップした街を線で結んでみます。周遊コースにして元の都市に戻ってくるのでもいいですし、一方通行の行ったきりでもいいです。それに合わせた航空券が手配可能です。
こんな感じになります。

赤線が、ロンドンからベルリンまでの一方通行ルート
青線が、ウィーンを基点とした周遊ルート

ああこの都市とこの都市はこんなに近いんだとか、ああこっちにも寄れるな、とかいろいろ面白い発見があるはずです。
おおまかな移動イメージがつかめたら、実際にかかる移動時間を計算してみよう。主な路線についての移動時間はインターネットですぐに調べられます。

(一例)
ユーレイル・ドットコム

さらに細かく調べたいなら、「トーマスクック時刻表」の最新版を手に入れましょう。ヨーロッパ全土の主要路線の時刻表を網羅しているスグレものです。これならさらに細かい移動時間のみならず、実際の時刻表も調べられます。実際に鉄道旅行する際には必需品となりますので、旅行気分を高めるためにも少しフライング気味に入手しておくのもありです。旅慣れてくると、時刻表無しでも何とかなりますが、初心者でかつ時間的制約のある人は持っておいたほうがいいでしょう。

列車の移動時間がわかったら、結んだ線に時間を書き込んでみよう。路線によっては夜行列車になるかもしれませんね。夜行が連続するようなコースは体力的につらくなるので、ほどほどにしておきましょう。
これを基に、実際の日程を決定していきます。この街には二泊できるな、とか、ここは泊まらずにその日の夜行で移動だなとか、時間が足りなさそうだからこの街はスルーするしかないな、とか、逆に時間に余裕があるから、もう一つ訪問地を足せるな、とかいろいろ見えてくると思います。
この時間がとても楽しいです。想像がふくらみ期待も増していきます。
どれだけ旅行期間を取れるかによって、おのずと選択肢は限られてきますので、どうしてもこれだけは外せないという都市を中心に考えていくのがいいと思います。
あと、旅には予期せぬトラブルが付き物ですので、たとえ一週間程度の短期旅行でも一日くらいの余裕は持たせておいたほうがいいでしょう。
とりあえず、これで暫定的なルートは決定です。
次は航空券の手配です。

航空券の手配

あなたが選んだコースによって手配すべき航空券の種類が変わってきます。
周遊コースの場合は、簡単です。入国と出国が同じ場所なので、単純に日本からの往復航空券を買えばいい。直行便が楽でいいですが、値段が高めな上に就航都市も限られています。経由便も含めて検討してみましょう。
先ほどのグーグルマップの青線ルートですと、日本からウィーンまでの往復航空券を買えばOKです。
一方通行コースを選んだ場合はどうでしょう。
先ほどのグーグルマップの赤線ルートを例に取りましょう。
ロンドンに飛行機で到着して、ユーロスターでパリに行き、そこからさらにベルリンまで列車移動することになります。そこから、また陸路でロンドンまで戻るのは面倒ですね。
この場合、帰りの最寄り空港はベルリン空港ということになります。飛行機で移動した方が楽でいいですね。そういう人のために、オープンジョーという航空券の種類があります。
日本→ロンドン~列車移動~ベルリン→日本
という経路になります。
これに対応した航空券も購入可能です。ベルリンから日本への直行便はないので、おそらく乗り継ぎ便になるでしょうが、陸路の移動を思えば楽なものです。
予約サイトによって呼び名はいろいろですが、2都市以上滞在(周遊)やオープンジョーと言うことが多いです。
同一航空会社を利用するのが、一番楽で乗り継ぎの心配も少ないです。旅行プランに合わせて、組み合わせが可能なので、いろいろ調べてみよう。

スカイスキャナーなら最安値を簡単に検索できます。

航空券徹底比較『スカイスキャナー』

また、航空会社のホームページから直接買うことも可能です。こちらの方が安い場合もあります。代理店を通していないので、すべて自己責任という形にはなりますが。
条件などをよく読んで、ひたすら検索してみましょう。
さらに安くあげるには、普通の往復便に現地LCCを組み合わせるのも一つの手。東京・ロンドン間の往復航空券とは別に、ベルリン→ロンドンの片道航空券を購入するわけです。びっくりするほどの安値で売られていることもあります。ホームページから直接購入することになりますので、ある程度の英語力は必要です。
ただLCCは欠航や遅延が多いので、乗り継ぎに失敗する可能性があります。航空会社は一切責任を持ってくれないので要注意。同一航空会社の乗り継ぎ便が遅延欠航した場合は、その航空会社が別の便に振り変えてくれたり、ホテルを用意してくれたりと、何かと面倒をみてくれます。ただ、たとえ同一航空会社でもLCCの場合、何も責任を取ってくれないことが多いです。余裕を持ったスケジュールを組みましょう。
もっと安く上げるには、思い切って全便LCCを利用するのも一興。日本・ヨーロッパ間のLCC路線は飛んでないので、まず日本からアジアの都市へとLCCで片道切符。そこからヨーロッパや中東系のLCCを組み合わせてヨーロッパまで。ここからヨーロッパ鉄道旅行をスタートさせて、ゴール地点からまたLCCを乗り継いで日本まで帰るというパターン。うまくいけば片道5万円ほどでいけるかも。おそろしく時間がかかる上、肉体的にも辛いので、正直おすすめはしませんが。
さて、これで航空券の手配ができました。次は列車の切符の手配です。

ユーレイルパス

ヨーロッパ、特に西欧と北欧の鉄道料金は高いです。何日も連続して鉄道移動をする予定なら、鉄道パスを購入しておいた方がお得になります。いちいち窓口に並んで切符を買う手間も省けます。
ヨーロッパ全体で利用可能のものから、地域ごと国ごとに限定化されたものまで、各種あります。
また、使い始めから通しで有効なものから、好きな日を選んで使用できるものまで、各種あります。
各種割引プランもあります。
自分の旅行プランに一番適したものを選びましょう。
ユーレイルパスは現在、インターネットで簡単に購入できます。
どこのサイトでも値段は似たり寄ったりです。以下、いくつかリンクを張っておきますが、他にもたくさんの会社が取り扱っています。クレジットカード利用可や手数料・送料・キャンセル料などの条件を検討して、複数のサイトから選べばよいでしょう。

ヨーロッパ鉄道チケットをオンラインで購入

注意点。
ユーレイルパスは、ヨーロッパ内での直接購入はできません。日本にいるうちに買いましょう。遅くとも出発3日前くらいまでには済ませましょう。別に売り切れはしないようです。
パスには指定席代や寝台利用代は含まれていませんので、別途窓口で購入する必要があります。パス保持者には割引が適用されることもあります。夏のハイシーズンは人気路線に関しては満席になるおそれがあります。特に夜行列車は早め早めに予約しておいたほうがいいかもしれません。

また、利用開始にあたっては、駅窓口でヴァリデーション・スタンプを必ず押してもらいましょう。インフォメーションセンター等ではなく、切符を買う窓口で、「ヴァリデーション、プリーズ」と言うのが確実です。これはヨーロッパ内で一番最初にパスを利用する時だけ押してもらえば、あとは不要です。
東欧や南欧に関しては、元々の鉄道料金が安く、またパスの種類も限られていますので、トータルコストに関しては微妙なところです。いちいち切符を買うのが面倒な人は買っておいてもいいでしょう。
また一部区間に限定した列車の手配も日本から可能です。ユーロスターなど人気路線は日程が決まり次第、予約しておいたほうがいいかもしれません。
上記サイトから日本語で申し込みできます。なお、現地鉄道会社のホームページから直接予約したほうが安いです。ただし日本語は一切使えませんので、ある程度の英語力が必要です。
パスも持たない人は、その都度、切符を購入することになります。

現地編

現地窓口での切符購入の仕方

クラコフからプラハ寝台列車旅 (1)

ヨーロッパの切符販売窓口は国内ローカル線と国際線に分かれていることが多いです。駅によっては、階が違うこともあり、ちょっと迷うかもしれません。英語表記もありますので探してみましょう。
国際線窓口の場合はほぼ間違いなく英語が通じます。国内線もまず大丈夫です。心配な場合は、あらかじめメモ用紙に「目的地」「クラス」「枚数」などを書いておいて、担当者に提示してみせるのもありです。
夜行寝台車は「sleeping car」もしくは「クシェット」とか言います。ジェスチャーでも通じるはず。ベッドの希望場所も一応伝えておきましょう。上段はupper、 下段はlower、と言えば通じやすい。ただ希望通りにならないケースも多いです。

列車の乗り方

イギリスなどの一部の駅をのぞき、駅に改札口はほとんどありません。勝手に構内に入ることができます。
まず出発到着の案内掲示板をチェック。大きな駅には電光掲示板もあります。自分の乗りたい列車の番号や目的地からプラットホーム番号を見つけて、そちらへ移動。なお、突発的なホームの変更はちょこちょこあるので、要注意です。
列車が到着したら、今度は車両番号から自分の乗る車両へ。切符に車両番号は書いてあります。よくわからなかったら、職員を探して切符を提示しましょう。指さしてくれます。
あとは乗り込むだけ。自由席の場合は早い者勝ち。なるべく早め早めの行動を。
指定席なら、ゆっくりと自分の席を探すだけです。先客がいても切符を見せてどいてもらいましょう。
出発です。
しばらく走ると、車掌が検札に来ます。切符ないしパスを見せるだけ。パスポートの提示はほとんど求められません。
貴重品と荷物の管理を怠らず。トイレに行くときは、周りの乗客に声をかけるか、チェーン状の鍵を手すりなどにロックさせてしまうのも手。
あとは車窓を楽しみましょう。

夜行寝台車の乗り方

クラコフからプラハ寝台列車旅 (2)

簡易寝台車(クシェット)の場合、乗り込むまでは普通車と変わりません。よほど深夜の乗車でもない限り、はじめは普通のコンパートメント席となってます。
1等寝台車は4人用、2等は6人用となっているケースがほとんどです。片側にベッドが2段あるか3段あるかの違いです。路線によっては、完全個室のVIPクラスもあるようですが、使用したことがないのでよくわかりません。
1等2等とも、最上段のベッドは、はじめから固定されています。2等の場合は中段下段のベッドは収納されていますし、1等の下段のベッドも収納されています。
上段が自分のベッドなら、最初から上がってしまってもかまいませんし、下の座席部分に座っていてもかまいません。一応、座席番号は書いてありますが、まあ適当な場所に座ればいいでしょう。
なお、上段中段にのぼるには、ハシゴが必要となります。ハシゴは廊下の壁に収納されていますので、部屋に取り込んで設置してください。列車は意外と揺れるので、昇降は慎重に。
また、ドアの上や窓の上に大きな荷物を置くスペースがありますので、そちらへ置いておきましょう。
乗車してしばらくすると、車掌の巡回があります。注意点など説明を受けます。国際列車の車掌さんは英語で説明してくれます。この時、チケットは一度回収されてしまうことが多いようです。下車する少し前に個別に車掌さんがやって来て、チケットはちゃんと返してくれますのでご安心を。
夜も更け、他の乗客も含めそろそろ寝ようかという雰囲気になったら、ベッド作りです。と言っても、中段下段ベッドの留め金を外して、横に倒すだけ。あっという間に出来上がり。
ベッドシーツや枕カバーなどリネン一式は、始めから置いてあったり、車掌さんが持ってきてくれたり、自分で車掌室まで取りに行く場合もあります。
ベッドを整えたら就寝準備完了です。おやすみなさい。コンパートメントの鍵をかけるのをお忘れなく。
翌朝、目的地に到着する前に、車掌さんがコンパートメントにやってきます。寝ててもちゃんと起こしてくれます。
無事到着しましたね。おつかれさま。

国境通過

ヨーロッパは地続きなので簡単に国境を越えることができます。シェンゲン協定に加盟している国同士の国境を通過する場合には、パスポートチェックもありません。知らないうちに国境を越えてしまっています。
ルーマニアなど一部の国では、通常のパスポートチェックが行われます。夜行列車でもお構いなしに叩き起こされます。こちらは座席にすわったまま行われることが多いです。現在はどうかはわかりませんが、以前マケドニアを通過した際は、一度車外に降ろされて、検査を受けたこともあります。素直にイミグレーション職員の指示に従いましょう。イミグレーション職員は強面の人が多いですが、日本人は特に何も質問されないので、にっこりと対応しましょう。

駅に着いたら

クラコフからプラハ寝台列車旅 (4)

鉄道車内ではアナウンスは一切無いものとお考えください。
終着駅なら問題はありませんが、途中下車する場合は、あらかじめ時刻表などで到着時間を把握しておきましょう。そろそろ近づいてきたなと思ったら、窓の外をじっと見ておいて、駅名を確認。心配なら周りの乗客にも確認。
ある程度大きな駅なら乗降客も多いので、気づかずにスルーしてしまうこともないでしょう。夜行寝台車は、到着30分くらい前に車掌さんが知らせに来てくれます。
駅を出る改札口もないので、そのまま駅の外へ出るだけです。地下鉄と直結している駅なら、地下へ降りるだけ。
次の移動先と日時が決まっているなら、窓口に立ち寄って切符を買ったり、席を予約しておくのもありですね。
駅周辺には、怪しげなタクシーや客引きなどが大勢たむろしているケースが多いので、充分注意しましょう。
大きな駅の構内には、たいてい荷物預かり所があります。一日数百円程度でしょう。宿泊せずに日中の観光だけ済ませて当日中に移動する場合には利用価値があります。
宿泊予定の人は、ホテルへ向かいましょう。移動手段は都市によって違いますので、あらかじめ調べておきましょう。わからないときは、インフォメーションセンターできけば教えてもらえます。市内地図もゲットしておきましょう。

ヨーロッパでのホテル予約とウォークイン

ヨーロッパには無数のホテルがあります。いわゆるバックパッカー向けの低価格ゲストハウスやホステルもあれば、手頃な中級ホテルから高級ホテルまで各種揃っています。

ゲストハウスやホステルは、ウォークイン(いわゆる飛び込み)で訪れてもいいですが、夏のハイシーズンは満室になることもしばしば。
わたしの場合、最近の旅行では、必ず前日までに予約していきます。
ある程度に期間にわたる旅行では、予定が変更になることも多いです。全日程をあらかじめ予約するのではなくて、翌日の行動を決めた時点でホテルを予約します。
現在は、ネットで簡単に予約できます。また、バウチャーを印刷する必要もありません。ヨーロッパのホテルやホステルでバウチャーの提示を求められたことは一度もありませんでした。
ただ、念のため、PCのオフラインで閲覧できるように、バウチャーを保存しておいたほうがいいでしょう。

日本からのフライトで現地で到着する日のホテルは予約しておいたほうがいいです。着いたその日は、長時間のフライトで疲れているものですし、夜間に現地に着くことも多いです。必ず予約しておきましょう。

わたしがヨーロッパのホテル予約に使っているのは、主に二つ。

BOOKING.COM ブッキングドットコム

オランダが本拠地のホテル予約サイト。とにかくヨーロッパには強いです。高級ホテルは言うに及ばず、安いゲストハウスやホステルまで取り扱っており、とにかく便利です。
支払いは、一部のホテルではクレジットカードでの先払いもありますが、現地払いが多いです。

世界最大の宿泊予約サイト、Booking.com

AGODA アゴダ

アジアがメインのホテル予約サイトですが、ヨーロッパの取り扱いもとても多いです。最近ではゲストハウスやホステルも充実しており、ブッキングドットコムに引けをとりません。
こちらは、クレジットカードで全額先払いがほとんどで、現地ではお金のやりとりはありません。

Agoda

まとめ

ホテル→乗車駅→列車移動→目的駅到着→ホテル(観光)
ヨーロッパ鉄道旅行は、これの繰り返しです。
最初は慣れないかもしれませんが、2、3回やっていると、手際が良くなってきます。基本的にヨーロッパの鉄道はどこも同じようなシステムで運行されていますので、一度要領をつかめば簡単に乗りこなせます。
想像するより遥かに簡単です。そんなに心配はいりません。ほとんどの場合、行き当たりばったりで何とかなってしまいます。過信と慢心は禁物ですが。
日本にいる間に、列車予約・ホテル予約などすべてを済ませてしまうのも、もちろんありだと思います。何より日本語で対応してくれるので、安心確実です。初めてで不安の方は、特にそう感じてしまうでしょう。
わたしのおすすめの方法は、まず最初の1,2泊分だけホテルを予約。あとは移動日前日にインターネットで次の日の宿泊先を予約していくというパターンです。
鉄道チケットに関しては、西欧・北欧以外はユーレイルパスも持たず、その場その場で購入していく。ただ人気路線や寝台車に関しては、遅くとも前日には駅窓口で購入しておく。
この方法だと、かなり自由度が高いです。割引がききにくいので少し割高になるかもしれませんが、急な日程変更やルート変更も可能です。
あとは、旅行日数や予算との兼ね合いがすべてです。
自由なプランニングで旅行できるのが、個人旅行のいいところです。せっかくのヨーロッパ鉄道旅行です。自分の好きなように旅行しましょう。
では楽しいご旅行を。

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